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ピエロの人形と、グアテマラの民芸織物のカゴ、それにロシアの花柄のテーブルクロス。三つのモチーフに共通した色彩が、赤とみどりです。

赤とみどりがまんなかに集められ、風にふわりと飛ばされたように周辺にちらばっている。
作者(小学四年生)はモチーフから、こんな色のイメージをひきだしました。

音楽にたとえるなら、大編成のオーケストラではなく、室内楽でしょう。
ピアノ、ヴァイオリン、チェロのピアノトリオあたりがふさわしいかもしれません。

全体をつつみこむ花柄のテーブルクロスは、さしずめチェロ。
大柄なロシアの女性のチェリストを想像してみてください。
ひろがりのある色から聞えてくるのは、花柄にふさわしい、豊かでやさしい音色。
塗りむらもまた、自然の風のよそおいです。

ヴァイオリンはグアテマラ出身の、新進気鋭の若手。
赤とみどりの色は、熱帯の国のカラー。
ラテンの血がさわぐような情熱的な演奏です。

彼らをまとめあげているのが、ピアノを担当しているピエロ。
ほかの二人も、このピエロがいなければトリオにならないことはわかっています。

ところでこのピエロの国籍は?

白塗りなのでよくわかりません。

表情を隠して、なんだか眠そうですが、こういう個性が、ほかの人の個性をうまくひきだしているんですね

みずから道化を買ってでる。
絵の中心でありながら、ほかの人の見せ場もきちんとつくってあげる。

ピエロってこの作者じゃないんですか?
うーむ、どうでしょう。
なぞはなぞのままのほうが楽しい!
不透明水彩の絵の具ですが、透明感を出すような使い方で、絵をとても明るく、軽快なものにしています。

三つの異なるモチーフをさりげなく寄り添わせ、そこに調和という音楽をひびかせる。
ロシアの自然と、中南米の工芸の素朴さをひとつにまとめた、かわいらしい世界。

このピエロ、こう見えても、トリオをまとめあげているスターです。
耳を澄ませば、ピエロが演出したメロディーを聞き取ることができるかもしれません。

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ピンボーン。
はーい。
お届けものでーす。

あのー、これは宅配便のお兄さんじゃないんですけど・・・
作者からクレームがつきそうです。

もちろんちがいます。
だけど、とびらをあけると、こんな彼らが、こんな顔で立っていたら、誰だってうれしくなってしまうでしょう。

きれいにラッピングされたプレゼント。
えっ、このわたしに?
おどろきがうれしさにかわって、なんだかためらってしまうほど。
絵からそんなハッピーな感じが伝わってくるなんて、すばらしいことです。

そこで この人形たちに、「プレゼントお配り隊」 と名前をつけてみました。
えっ、「プレゼント、欲張りたい」?
あらら、聞きまちがえてますよー。
日本語ってむずかしいですね。
どうせ聞きまちがえるなら、「プレゼントを、配りたい」くらいにまちがえてください。

作者は小学一年生の女の子。

思わず声をかけてあげたくなるようなかわいらしさです。
目や鼻の位置がちょっとずれてしまうと、表情がまるでかわってしまいます。
そのあたりの微妙な手加減がなかなかみごと。
小さくかわいらしく、ではなく、大きく堂々とかわいらしく、描きました。

明るく落ち着いたブルーを選んだので、人形の白がくっきりとあざやか。
白いクレパスで、赤やみどりを淡い色にして、全体を流行のシャーベットカラーにしました。
シャーベットを食べたときの、甘くてすっきりとした味を思い出してください。
この絵、シャーベットカラーをもってきたので、夏にだってぴったりです。
もしかしてあの丸いものは、マカロンカラーのマカロンですか?

「プレゼントお配り隊」はただいま新隊員を募集中。
隊員のお仕事は、手にもてるくらいの小さな幸せをお届けすること。
たぶん、絵を描くこともそのなかには入っています。


でもなかには、小さなものじゃいや、もっと大きなものをたくさんほしい、なんていう人がいないともかぎりません。
手にもてるくらいの幸せがわからない人に、大きな幸せなんて、わかるはずがないんですけれどもね。
それをわかってもらうための「プレゼントお配り隊」です。

でもどうしても、という方は、どこかにあるらしい「プレゼント欲張り隊」をおさがしください。

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犬は夢を見るのでしょうか。
もちろんです。
犬の夢ってどんな夢ですか?

逆に、こう質問してみましょう。どんな夢を見させてあげたいの?

あれは夢の木。
誰かがそっと揺らすと、風にのって、夢が運ばれてきます。

犬の見る夢は、じつはあなたが犬に見させてあげたい夢。

仔犬のときには、まるで空をとぶようにジャンプしていたよね。
あのときの楽しさを、もう一度、夢のなかで味わってごらん・・・・。

ペガサスを発見! ギリシャ神話に出てくる翼を持つ馬です。
飛ぶ夢だったんですね。

このワンチャンの寝顔を見ていると、すーすー、むにゃむにゃ。
いい香りのなかに我をわすれているようです。

わたしたちが見る夢も、誰かが夢の木を揺すって、見させてくれているのでしょう。
それが証拠に、わたしたちは夢を選ぶことはできません。

作者は高校生。
時間のかかる油絵ですが、さすがに高校生です、試行錯誤や苦心のあとをひとかけらもみせず、作者もまた夢のなかに。

ひょっとすると、この絵そのものが、作者の見た夢なのかもしれません。
夢のなかで見たのは、じつは、夢をみている犬の夢。

「目覚めよと呼ぶ声がする」というバッハのカンタータがあります。
題名を知らなくても、いろいろに編曲されているので、たぶんどこかで聞いたことがあるでしょう。

夢なら覚めないでほしい! 
そういうわけにはいかないんですね。
覚めぎわの美しい夢だってあります。
覚めて見る夢だってあるんですよ。

目覚めよと呼ぶ声に耳を澄ませて、はるかなところからやってきたメッセージを感じ取ってください。
夢の木をそっと揺すってくれたのは、もしかしたら、あなたですか?

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# by kodomo-sevendays | 2012-05-09 07:27 | 高校生 油彩
画面を四つの色の帯に分けて、淡いシンプルな色彩で、たての線(手すり)のおもしろさを強調しています。

いつも独特な発想と感性のこの作者。
小学校一年生の男の子です。

いきなり俳句的な世界が目の前にひろがったかのよう。

俳句なんてまだ習っていない?
でも、むずかしいことを知らなくたってだいじょうぶ。
この絵はちゃんと、季節に挨拶をしています。

季節はいつ?

空の色と雲の形からわかります。
少年たちの長袖Tシャツもヒントになりそう。
さらに決定的なのが、足もとにいる一匹のアリ。

どうしてホームにアリが?

おもしろいことないかなー、なんて冒険心のおうせいなのがいて、一緒にエスカレーターで上がってきたのかもしれません。
ホームには初夏の風が吹いています。

音楽を聞いているんでしょうか、それともゲームでもしているのかな。
こういうツール(道具)がすっかり生活のなかに定着していることがわかります。
楽しさがこちらにまで伝わってきそうな、この表情がいいですよね。

「上野えき」にはきっと楽しいことが待っているのでしょう。

これからどこ行くのー?
美術館? 動物園? 秋葉原?

いかにも都会の子どもらしい風景ですが、いつだって楽しいことを見つけてくるのが子どもたち。

エスカレーターのおもしろさに注目してみたり、アリがこんなところにいると教えあったり、男の子らしい興味が絵のなかにひょいひょいと顔をだしています。

この雲があるおかげで、絵がひろびろとしています。
この雲がもっとむくむくしてくると、夏休み。

渋い色をじょうずに使い、清潔感を出して、それがこのボーイズにぴたりと決まって、なかなかかっこいいんですね。

三人といっぴきの、初夏らしい、エスカレーターのある風景です。

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はぐれてしまったの? それはたいへん。
ところでマトリョーシカさんって、どういう方なんですか?

ロシアからやってきたお人形です。こけしみたいにずんぐりとしていて、人形のなかに人形が入っていて・・・。

ひょっとしてこちらの方なのでは?
あっ、そうです。でも、ひとりだけじゃないんです。

もしかして、あそこにいる方たちも?
なーんだ、あんなところに。こっちですよー。

どうやら見つかったようで、ほっとしました。
マトリョーシカさんたちは、きょろきょろとしているうちに、はぐれてしまったんでしょう。
ところでマトリョーシカさんたちに集まっていただいたのはどうして?

作者は幼稚園の年長さん。女の子。

マトリョーシカさんたちを、これまで見たことのない美しいデザインで、パッケージング(包装)してしまいました。

センスだってなかなかです。
同じ模様なのに色がかわったり、形を複雑にしたかと思えば、単純にしてみたり。
自分でリズムをつくりだし、それに気持ちよくのって描いています。
描いている人が気持ちがいいのだから、見る人だってとても気分がよくなります。

色が色を呼び寄せ、おしゃれで楽しいパターンでバリエーションをつくり、マトリョーシカさんたちを包み込んでしまいました。
ここのところはこうきたのか。
マトリョーシカさんでなくても、思わず足をとめたくなります。

パッケージングは、物だけではなく、心も包みこみます。
パッケージを開くと、マトリョーシカさんといっしょに、作者がつめこんでくれた上機嫌がぱっとひろがります。

あれっ、マトリョーシカさんがいるだけ? 
そう思った方は、かんじんなものを取り逃がしています。
上機嫌はとても軽くて、ばっととんでいってしまいます。すばやくつかまえてください。

かわいらしくて、なんてきれいなの・・・
そう思った方は、作者がパッケージのなかにこめてくれた上機嫌の端っこをつかんでいます。
あとはゆっくりと、マトリョーシカさんたちと一緒に、この絵のなかで、よそ見をしたり迷子になったりして、遊んでいってください。

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# by kodomo-sevendays | 2012-04-25 08:47 | 保育園・幼稚園
ぴたりと動きを止めてしまったような静けさ。
先生に叱られて、クラス中がうつむいてしーん・・・そんな静けさとはちがいます。

赤、青、黄と原色が入っているのに、この緑にふさわしい気持ちのいい静寂。

ピンク色と青にグレーをまぜて、透明な、セロファンみたいな影をつけています。
息をひそめるようにひっそりと、ストライプが透けていて、なんとも美しく、また効果的。

透明な影なんてありえませんが・・・。
ええ、でもありえないものをありえるように美しく描くことはできますよね。

それにこのグラデーション。

空から帯状の緑が下りてきて、静かに降りつもったかのよう。

逆のパターンで、上にいくほど明るいグラデーションだったら、下りてきたという感覚にはならないでしょう。
ほかの色を、この緑がいちだんとあざやかに引き立てています。

作者は小学5年生の女の子。
こんな想像をしてみてください。

風がない日の湖(水の表面)にうつった景色は、山の緑があざやかで、どちらがほんもので、どちらが水の上なのかわかりません。
水にうつった景色のほうが、ときには美しくみえたりします。

動いてはいけない。波をたててはいけない・・・じっと耐えている水の緊張感が、見る人に伝わってくるからでしょうか。

この絵もおなじ。
どのモチーフも、ぴくりとも動きません。
ちょっとでも動けば、絵の世界がたちまちくずれてしまう。
そんな緊張感が、この絵の静けさを支えています。

あのー、水に映った像なのか、そうでないのか、見分ける方法ってあるんですか? 
ありますよ。簡単です。小石をひろって投げこんでみればいいんです。

だれだぁ~ この絵に向かって石を投げたのは!
クラス一同、下を向いてしーん。
な、なんてことを!

こういうしーん、は、静寂なんかではありません。

この絵が、そんなふうに人をかりたてたとしたら、それだけの力があったということ。
この絵にとっては大成功です。

も、もしかして、あなた、いま、小石をにぎってなんかいませんよね。

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わたしたちはロシアからやってきました!
ようこそ、マトリョーシカさん。

作者は小学一年生の女の子。
まだ世界地理なんて習っていないし、ロシアがどんな国なのか、住んだこともないので、よくわかりません。
でも、マトリョーシカさんたちのイメージはちゃんと、つかんでいます。

ひまわりのような黄色と、はちみつみたいなオレンジ色。
そのうえを赤い色が、ミツバチみたいにぶんぶんとびまわって・・・。
土の香りのするような素朴な人形のイメージが、こんな色につながっています。

アトリエに差し込んだ陽ざしが、マトリョーシカさんたちの足もとにくっきり。
もう少しこっちにいらっしゃいな。あたたかくて、気持ちがいいのよ。

でも、こっちに陽ざしが動いてくるんですから。ふふふ。
マトリョーシカさんたちの笑い声が、背の高さにあわせて伝染していきます。

マトリョーシカ人形というのは、ロシアの民芸品のひとつです。
人形のなかに同じような人形が入れ子になっていて、お土産としてもとても人気があります。
最近では、伝統的な顔ばかりではなく、動物があったり、政治家があったりするらしいのですが、赤いサラファン(民族衣裳)がやはり定番。

ちょこんちょこんと浮かんだ花や雲。
ようこそ、マトリューシカご一同さま。
リボンのついた小さな箱は、プレゼントなのかもしれません。

あなたたちがロシア代表なら、こちらもオールジャパンでお出迎えいたしましょう。
それにぴったりの方がいらっしゃいます。
お目にかけますね。
それっ。

ぽーんぼーんと、トランポリンでジャンプしたみたいにしてあらわれたのは、おひなさま。

とびあがった拍子に、おうぎが、雨があがったのでじゃまになってしまった傘みたい!
でもこれがいいんですよ。ひらめきをさっとキャッチして絵にした楽しさが、そのまま見る人に伝わってくるんですから。
マトリョーシカご一同さまだって、思わず、くすくすでしょう。
この作者、人を楽しませること、自分を楽しませることがなんなのかをよく知っています。

それでは歓迎のお礼の意味をこめ、ロシアの踊りをおどってごらんにいれましょう。
まずはこの重たい冬の衣装を脱がなくては。

マトリョーシカさんたちは赤いサラファンの衣装を脱ぐ。
(人形の上半分をすぽんと取ると)
ああ、また同じ衣装のマトリョーシカさんがひょっこり。
あれー、もう一回。
あれー、また・・・・

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造形作品 絵本づくり

登場人物はゴキブリ武士。
人間の形をしたゴキブリなんだそうです。
一度聞いたら忘れられないキャラクター。もうこれだけで、成功は半ば約束されたようなもの。
さらにテーマソング付きです。桃太郎のメロディーでどうぞ。

      ゴキブリさん、ゴキブリさん
      せなかにつけた ゴキダンゴ
      1つーオイラに
      くださいなー
 
ゴキブリ武士の大敵はネコ。
ここではネコが悪者。そりゃあ、そうでしょう。食べられてしまいますからね。

ネコに手をやいたおとのさまは、3年前の英雄のゴキの進に、2億円あげるからネコ退治をしてくれないかと頼みます。
ゴキの進、いやとはいえません。
3年前にいったいなにがあったんでしょう。なぞはなぞのまま物語は進行。

たびの途中、ゴキの進は子ねこ三人衆におそわれます。
そのとき助けてくれたのが、ゴキブリ流星けんの使い手、ゴキベエ。

流星けんはきらきら光るかわいいビーズ玉でできています。
あひょー、ニャー。

いろいろありまして、最終決戦は、各局のテレビカメラが中継するなか、西洋のお城のような都庁で行われることになりました。

かんじんの決戦の場面を紹介するスペースがなくなってきてしまいました。
でも二大必殺技だけは紹介しないと、作者にしらかれそうです。

ごき玉のいりょくを見よ!

めでたく敵をやっつけたゴキの進とゴキベエ、2億円に胸はずませながらおとのさまにご報告に参上します。
「うーむ2おく円は町のしゅうり費につかうからおあずけ」
「げぇーひきょー」
「そりはねーよ」
ふたりしてズッコケる!

物語+マンガ+絵本+アニメ
前がきがあって、テーマソングがついていて、エンディングに説明があり、
おわりには反省の文までついていて、ゴキブリ武士2の予告までしてあります。
このきまじめさが、なんともいえないユーモアをかもしだしていることに、作者が気がついていないところがおもしろい。
まじめな顔をしておもしろいことをいう人、いますよね。

読み終えたときには、なんとなくゴキブリ武士に感情移入をしていましたが、よく考えてみれば、いや、よく考えなくても、ゴキブリ武士ってゴキブリなんですよね。額にゴの字が!
げッ。
へんにあいきょうのあるこの顔に、だまされました!

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# by kodomo-sevendays | 2012-04-04 09:46 | 造形作品
たてに引かれた24本のブルーのストライプ。
つなげると一本の長い道になります。
最後にこのコースが待っている!
マラソンランナーの心境です。

マラソンランナーは試合前にイメージ戦略をして、モチベーションをあげていきます。
作者は小学2年生の女の子。
イメージ戦略なら、こちらだって負けていません。

白い磁器の入れ物は、上から見ると正六角形の形をしていて、時代がちょっと古いので、底がすぼまっています。
ストライプに、正六角形をがっちり組み合わせたら、算数の参考書の表紙みたいになってしまうし・・・
左側にどんな色がどんな形で入ってくると、柿の色が美しみえるのかなあ。
タコ唐草なんて名前を知ったので、この模様もきちんと描いてみたい。

ランナーは試合前のイメージトレーニングのときがいちばん楽しい。
この作者だってきっとそうだったと思いますね。

マラソンは、天候や気温、コースにも左右されます。
いつも同じ条件というわけにはいきません。
肩の力を抜いて、体と心をリラックスさせておかないと、不測の事態に対応できません。

絵を描くことだって同じです。
にじんだり、はみ出したり、つまずくことだってある。
それもまた絵のおもしろさ。そう気がつけば、自然が味方をしてくれます。

ブルーと白のストライプが入ったところを想像しながら、あとはゴールをめざすのみ。

折り返し地点を過ぎ、ふと気がつけば、えっ、前にも後ろにも誰もいない。
ここからはゴールめざしてのひとり旅です。

勝利を確信したのは、ブルーのストライプの何本めあたりですか?

いい質問です。ぜひ聞いてみたい。(13本めあたりか)
足どりが軽くなったときのその心境も。

色と形のペース配分。それに微妙なバランス感覚。これが勝因でしょう。

アスリートの勝利者には、オリーブの葉でできた冠があたえられます。
オリーブの葉の冠は無理でも、モチーフとして使った柿くらいならさしあげられそう。
どうぞお召し上がりください。

あっ、タネは捨てないでね。
その小さなタネの中には、達成感という貴重なものが入っているのですから。

ゴールテープを切ったとき、完成したと筆を置いたとき、胸のなかにストンと気持ちよく入ってきたあれです。
捨てないで、といったのはもちろん冗談で、すでに胸のなかにしまいこまれています。

じょうず育てれば、芽を出し、豊かな実をみのらせてくれます。
絵を描くことにかぎらず、あらゆるものに通じる自信となってくれるでしょう。

一枚の絵を描くことがマラソンに通じるなんて、この絵を見るまで思いませんでした。

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赤い付け鼻や帽子、ほおの涙のしずく。
それらを描けば、みんなピエロの人形に見えるかというと、そうでもないんですね。
たいせつなのは腕。
人形になったつもりでやってみてください。
だらーんと力を抜いて。

うーん、ちょっとちがうなあ。それだと、猫背の「気を付け」。

わきの下に、テニスのボールくらいの、丸い空気の固まりをはさんで、すこーしだけ腕をひろげる。そう、投げ出すような感じです。
こんなふうに!

よく観察しているだけではなく、表現力もあります。
首のまわりをかざっているのは、ラフという白い襟。
ちょっとずつ違えて描いているところなど、いかにも女の子らしくてかわいらしいですよね。
作者は幼稚園の年長さん。

アトリエ10にあるピエロの人形は、オルゴールを内蔵したぜんまい仕掛けです。



わたしはピエロ
背中のゼンマイを
巻いていただければ
愛の歌をかなでます


ゼンマイがほどけるにつれ、ゆるやかなテンポになり、
最後には、ため息をつくようにカクン。

明るく、楽しい色のくみあわせをパッチワークのように、ピエロのまわりにつくりあげました。
たくさんの色を使いこなすことは、美しいものを愛する喜びのひとつ。
きれいだなあと感じる心を、花がひらくみたいに全開にしていなければ、こんなふうには描けません。

作者の心を動かしたのは、ピエロのかなでた愛の歌。
愛の歌を楽しむのに年齢は関係がありません。

さらに楽しいアイディア!

ところどころに、作者の大好きなものが埋めこまれています。
なんだか引き出しみたい。
あっ、ここの引き出しには、こんなものが入っている。こっちは、こんなもの・・。
おやおや、ソフトクリームがとけませんか?

大きな画用紙なので、完成するまでに何週もかかってしまいました。
アトリエに来て、前回のつづきです。
でも、すっと自分の世界に入っていける集中力があります。
緻密で楽しい絵ができたのも、そういう集中力のたまものでしょう。

     わたしはピエロ
     背中のゼンマイを巻いていただければ
     愛の歌をかなでます

じつは、愛の歌をかなでたのは、ピエロではなく、作者のしなやかな感性。
そのことは、この絵を見る人に、すぐにつたわることでしょう。

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# by kodomo-sevendays | 2012-03-21 08:16 | 保育園・幼稚園
サメを描きたかったんだよね。
だったらどうしてまん中にもってこなかったの?

作者は小学校1年生の男の子。わかっています。
でも、気がつかない人のために、少し説明をくわえましょう。

もしこのサメがまん中に描かれていたら、
「いっぴきのサメがおよいでいる」
になります。
左端に描いたために、
「いっぴきのサメがおよいでいく」
になりました。
「いる」と「いく」のちがいです。

描きたかったのは「およいでいる」(状態)ではなく、「およいでいく」(現在進行形)のほう。
小学一年生だからむずかしいことはまだわかりませんが、感覚的には理解しています。

サメがとおりすぎるとき、体からブルーが溶けだしたかのように、美しい濃淡があたりにひろがります。

色だけではありません。

サメのしっぽとヒトデの腕を見比べてください。
形といい、つきだした角度といい、そっくりです。
さまざまなものが、まるでサメにエールを送っているかのように、色や形をシンクロさせています。

サメのひれと、ヨットの帆。
色だけでなく、形も似ています。

サメのひれと、飛び魚のむなびれ。

一見ばらばらに見えるものが、サメの色と形にシンクロし、見えない糸でむすばれ、ひっぱられているかのよう。

海のなかの生きものばかりではありません。
島も、空も、サメとシンクロして、ブルーにそまっています。

先頭に立ったサメはいまゆうゆうと、世界をきりひらき、空や海や、ほかの生きものたちを引き連れ、およいでいく。
アメリカにはシャーク(サメ)と名前がつけられた潜水艦があるそうですが、まさにそんなかんろくがあります。

「いっぴきのサメがおよいでいる」世界より、
「いっぴきのサメがおよいでいく」世界のほうが、
だんぜんスケールが大きい。
描きたかったのはこちら。

最後にサメの顔をご紹介しておわりにしましょう。
いかめしい王者の顔を想像していたかもしれませが、こんなにやさしげな顔をしています。

映画のジョーズで人食いザメが有名になってしまったけれど、人食いザメでないことだけはたしかです。
誰かに似ているのかもしれませんね。

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たこってこんな色だったのかなあ。(作者のつぶやき)

一瞬のそんなためらいが、たこくんの表情にあらわれています。
作者は幼稚園の年中さん。男の子。

かわいいじゃありませんか。
いいんですよ。自分のイメージしたように描いて。
いつか水族館で、あるいは海にもぐって、実物とご対面してください。

えっ、ほんとはこんな色で、こんな形だったの。
そういう 「びっくり体験」 が、とても大切なんですから。

さかなもたくさん描きたいんだよね、きれいな色で。
それだったら、たこくんもそれにあわせてあげたらどうかな。
まっかじゃなく、ちょっと夕焼けにそまったみたいな色にして。

海のなかだって、夕焼けにそまります。

たこくんの緊張した表情とは対照的に、さかなたちのなんといきいきとしていることか。
右へひらり、左へひらり。
上のほうの一匹は、画面から抜けだしてしっぽのところだけ。
左はしの一匹は、いきなり顔を出してきて、体が半分だけ。
この二匹のおかげで、絵が画面 (画用紙) をこえて、とても大きく見えます。大きな水族館のガラスごしに見ているみたい。すごーい。

選挙立候補者のタスキみたいな斜めのストライプ
形のおもしろさをぱっと自分のものにして、ぜんぶこの種類のさかなにしてしまいました。

よくみると、小さなくせに、みんなとがった歯があります。
なんだ、なんだ、こいつらは。

たこくん、あせって、あわあわ。
おさかなたちは、おもしろがって、ぶくぶく。

あわあわとぶくぶくで、あわぶく合戦。

たこは丸顔。
足が八本。
口がとがって色は赤。
こんな楽しい絵は、この年齢のいましか描けません。

それにしてもキュートな顔。
たこくんを友だちだと思って描いているにちがいありません。

おいしそう、なんていったら、きっと作者のほうが口をとがらせることでしょう。

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# by kodomo-sevendays | 2012-03-07 07:59 | 保育園・幼稚園