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アメリカン・ヒーロー  絵になる男たち

保安官、カウボーイ、先住民族、海賊・・
アメリカン・ヒーロー、絵になる男たちの登場です。

台座に乗せられた木彫りの人形ですが、人形といえども、ひと癖もふた癖もありそう。

たとえば左端の保安官。
近寄ってみれば・・・。

色をなすりつけただけ? とんでもない。
もっと離れてみてください。
鼻の下にヒゲをはやし、がっしりとした顎、保安官以外のなにものでもありません。
油絵だからこそできる表現です。

シワだらけの顔? そんなことはありません。
もうちょっと距離をおいてごらんください。羽かざりをつけたインディアンの酋長には、威厳があります。

輪郭をとる。ただし色を塗るときには、輪郭は塗りつぶしてしまう。
でも完全に消すのではありません。勢いを逃がさないように、透けてみえるようにしておく。

きれいに描いただけでは、ヒーローにはなりません。
ましてやアメリカン・ヒーロー。荒野の砂ぼこりや、硝煙の匂い、深い霧の匂いなどが、いやでも身にはりついていることでしょう。



とどめは星条旗。
星をつけたブルーが美しく、ストライプがおもしろい効果をあげています。
この星条旗、正確に描きながら、絵のバランスを考えて巧妙に細部を変えています。
さあ、それはどこでしょう。

台座は一列に並べられているのではなく、でっぱったり、ひっこんだりしています。

足もとだけ見ていると、なんだかかわいらしくて、合唱でもはじまるのか、なんて思ってしまいそうですが、どうみたって、合唱が似合うような男たちではありません。

いちばん似合いそうなのは口笛。それも遠くから風にのって聞えてくるような。
アメリカン・ヒーローがもっとも絵になる場面です。
距離があるからこそ伝わるものがある。

この絵もまた見る人に距離を要求しています。
一歩、いや十センチほど、頭の位置を引いてごらんになってください。

距離をとって見ていただければ、星条旗は画面をこえて、右のほうにもっとひろがっていることがわかります。
想像力を刺激して空間の広がりを感じさせる。
それがこの絵を大きく見せています。
描かれなかった空間には、自由の風が吹いているのか、あるいはアメリカン・ヒーローが続々と立ち並ぶのか・・・。

ロンサムとか、ワイルド、タフネスなどということばが似合いそうなアメリカン・ヒーロー。
彼らの生き方も、たぶん、人との距離をおそれない、孤独に耐えうる、強い意志でかたちづくられているのでしょう。
そんなふうな「絵になる男たち」を、小学校六年生が油絵にしてみました。

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